住宅ローン控除の条件
今回は住宅ローン控除を受けるための条件について紹介します。
住宅ローン控除の概要
住宅ローン控除は、要件を満たす新築物件や中古物件を購入する際やリフォームなどをする際に、一定期間ローン残高に応じた金額が所得税から差し引かれ、還付される制度です。控除を受けるためには確定申告が必要となります。
住宅ローン控除では、あらかじめ計算された所得税から税金が差し引かれ、納めた分の税金が戻ってきます。所得税で控除しきれなかった分に関しては住民税から控除されます。
現在の住宅ローン控除制度は、令和3年12月末まで、居住開始から10年間の適用となります。各年の控除限度額は40万円で、認定長期優良住宅等の場合は最大50万円が上限額として設定されています。
住宅ローン控除の対象となる住宅
住宅ローン控除を受けるには、合計所得が3000万円以下で、住宅ローンの返済期間が10年という条件があります。さらに、新築か中古物件かなど項目によって適用条件がそれぞれ異なります。
新築物件の場合
新築物件を購入する場合は、住宅が居住用であることが条件として定められています。また、床面積においては50㎡未満の場合は適用外となりますので、あらかじめ登記簿面積を確認する必要があります。販売資料や売買契約書に記載されている床面積と、税制上の床面積は異なりますので、登記簿に記載されている面積を確認するようにしましょう。
また、マンションの場合は、登記簿は壁の内側である内法面積で記載されているのに対し、販売資料では壁心面積で床面積が算出されています。階段や通路、バルコニーやベランダなどは共有部分として床面積には含まれませんので、マンション購入の際は事前にしっかりと確認するようにしましょう。
また、もし店舗や事務所の物件を探している場合は、床面積の半分以上が居住用であれば、半分以上が店舗や事務所利用、もしくは貸家の場合でも住宅ローン控除が適用になります。
中古物件の場合
中古住宅の購入の際も住宅ローン控除が適用されます。条件としては、以下のいずれかを満たす必要があります。
・ 築年数が規定の年数以内であること。
・ 木造などで建てられた耐火建築物以外の場合は、家屋が建築されてから20年以内であること。
・ 鉄筋コンクリートなどで建てられた耐火建築物の場合は築年数が25年以内であること。
・ 以下のうちいずれか、一定の耐震基準をクリアしていること。
o 耐震基準適合証明書の取得
o 住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得
o 既存住宅売買瑕疵保険の加入
増築・リフォームの場合
自宅のリフォームや増築を検討している際も、要件を満たしていれば住宅ローン控除を受けることができます。住宅ローンをすでに返済中の場合は、増築にかかる費用と合わせてローンの借り換えを行うことができます。しかし、本人が別の住宅に居住している場合は適用外となります。
主な適用条件については、以下の通りになります。
・ 契約者自身が所有し、居住目的の家屋に対する増改築又はリフォームであること。
・ 工事日から6カ月以内に居住し、減税の適用を受ける各年の年末まで住んでいること。
・ 工事費用が100万円以上で、その2分の1以上が居住用部分の工事費用であること。
・ 中古住宅を新規購入でリフォームする場合は、築後20年以内の木造住宅もしくは耐火建築物の場合は築後25年以内であること。
床面積や所得金額は新築物件の条件と同様で、50平米以上であることが条件となっているほか、リフォームの工事内容については、大規模な模様替えの工事、家屋の一室の床又は壁について行う修繕工事、現行の耐震基準に適合させるための修繕工事、一定のバリアフリー改修工事、一定の省エネ改修工事と、工事内容が定められています。
入居した年の前後2年間ずつの間で、居住用財産を譲渡した場合の「長期譲渡所得の課税特例」の適用を受けている場合は、控除の適用外となりますので注意しましょう。
まとめ
控除を受けたい場合、特に築後年数については事前にしっかりと確認するようにしましょう。また、床面積においては、新築住宅と同様に50平米以上であることを満たす必要があります。その他諸条件も契約後ではなく、物件購入前に確認するようにしましょう。