耐震診断とは
今回は、耐震診断についてみていきます。
・耐震診断とは
耐震診断とは、文字通り住宅の耐震性能を診断するサービスです。主に現在お住まいの住宅、もしくは新しく購入する中古住宅の耐震性に不安がある方が利用することが多いかと思います。
・耐震診断をおこなうタイミング
耐震診断をおこなうタイミングはそれぞれありますが、住宅の築年数が10年20年を経過し古くなってきたと感じたとき、地震が起こった後自分の家が不安になり確認したいとき、リフォーム前に性能をしっかり調べたいとき、耐震補強工事等補助金・助成金・公的制度を受けたいとき、自宅の売却を検討しているときなどが動機になるケースが多いです。
・耐震性
住宅の耐震性能は新築時のまま保たれるわけではなく、柱がシロアリに喰われて腐食してしまったり、雨漏りで躯体の耐久性が衰える、壁面のひび割れなどの経年劣化などで性能は日々変わっていきます。つまり、耐震性能は建築当初の設計性能と現在の劣化状況をかけあわせたものといえます。
・耐震診断が必要な物件
大まかな目安として、木造住宅の場合、着工が2000年以前かどうかがひとつの基準となります。2000年には建築基準法改正があり、この耐震基準は、当然ですが一般的に目安とされている新耐震基準(1981年)より厳しい規制になります。住宅購入を検討されている方は、新耐震基準を1つの目安としていることが多いですが、新耐震基準は先述の通り1981年に規定されたもので、40年近く前の基準となっているほか、新耐震基準には適合しているが、2000年の基準に適合していない物件も数多くあるため、新耐震は必ずしも安全とは言えません。新耐震だとしても2000年より以前に建築された物件であれば、耐震診断の検討も必要かと思われます。用
・耐震診断の種類
国土交通省の耐震診断ガイドラインでは以下の通り大きく3つに分けられております。
①所有者における耐震診断(セルフチェック)
②一般診断(図面と現地調査を用い、建築士などの専門家がおこなうもの)
③精密診断(耐震補強工事を前提とした、より精密なもの)
一般診断と精密診断では実施する際に必要な技術が異なり、精密診断は耐震補強工事を前提とし、実際に建物の壁などを壊し、柱などの状態を確認しながら診断を行うため、修復や補強も含めた施工技術のある会社がおこなうのが一般的です。費用はおこなわれる工事の内容や規模によって大きく異なり、数十万円以上かかることもあります。現地で壁などを壊す精密診断に対して、一般診断は建築図面と現地の劣化調査から診断を行う非破壊検査となります。そのため耐力壁の位置などが記載された詳細な建築図面がないと診断をおこなうことが出来ません。
・まとめ
少しでもご自身の所有する物件等、住宅の耐震性に不安を覚えた方は、耐震診断を検討することをおすすめします。新耐震だからといって、安全とは限りません。簡易的な診断もございますので、この機会に一度、きたる地震に備え対策を練ってみてはいかがでしょうか。